イスをぶん投げて、壁に穴を開けた日の話

こどもが産まれる前から、
僕は家事と育児をかなり叩き込まれていました。

パートナーは助産師。
毎日のように、
家庭内でみっちり指導を受けていました。

正直、その頃の僕は本気で思っていました。
「おれ、余裕で完璧にできるな」って。

こどもが産まれても、
自分はちゃんとやれる側の人間だと、
どこかで信じていました。


でも、現実はそんなに甘くありませんでした。

真夜中に轟く夜泣き。
抱っこしたまま、ひたすら揺れ続ける時間。

眠い。
終わらない。
静かにならない。

気が狂いそうだったので、
抱っこしながら、無心でドラクエのレベル上げをしていました。

画面の中では、
勇者たちがどんどん強くなっていく。


でも現実では、
日中も家事・育児で休めず、
冒険は一向に進まない。

画面の中のガチムチに鍛えられた勇者たちは、
ずっとおあずけをくらっていました。


「ちゃんとやれるはず」
「完璧にできるはず」

そう思っていたからこそ、
そうしなきゃいけない気がしていました。

できない自分を認められなくて、
誰かに助けを求めることもできなくて、
全部、自分で抱え込みました。

そして、ある夜。

ぷつっと何かが切れて、
気づいたらイスをぶん投げていました。

壁に穴が空いて、
こどもはびっくりして泣いて、
僕はその場に立ち尽くしました。

「何やってるんだろうな」

涙が止まらなくなって、座り込んでタオルを口に詰め込み、

泣き喚いたのをはっきり覚えています。


それから時間が経って、
今はカジークジーを使って家事・育児の講座、授業、研修等の講師の仕事をしています。

でも正直、
今でも完璧な親でも、
完璧な大人でもありません。

ただ一つ分かったのは、
「ちゃんとできない気持ちを、ちゃんと話せる場所が必要だった」
ということです。

正解じゃなくて、
アドバイスでもなくて、
「そういう日もあるよね」って言える場所。

カジークジーには、
そんな思いも込めさせてもらいました。

このブログでは、
立派な話も、役に立つ話も、
あまり書かないかもしれません。

でも、読み終わったときに
ちょっと笑ってもらえたら
それで十分だと思っています。

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