長女が生まれてしばらくした頃、
市の定期健診に行ったときのこと。
保健師さんに声をかけられた。
「奥さまが助産師さんで、
ご主人が主夫の方…ですよね?」
どうやら当時、
市の母子保健に関わる職員の間で、
ちょっとした“ウワサ”になっていたらしい。
主夫、という存在がまだ珍しかった時代だった。
その保健師さんが、
「こんなのありますよ」と言って、
パパサークルのチラシをくれた。
公共施設で、
パパたちが子どもを連れて集まる場。
当時はまだ、
父親目線のリアルな育児の情報が少なかった。
だから、
単純に興味があった。
よし、行ってみるか。
当日、
集まっていたのは4組くらい。
自己紹介をして、
部屋にあったマットやおもちゃで子どもたちと遊びながら、
パパ同士で少しずつ会話をする。
皆さんめちゃめちゃ良い人たちだし、
居心地が悪いわけではない。
でも、
思っていたよりも静かだった。
パパたちは、
自分の子どもにはよく話しかけている。
でも、
パパ同士になると、
何を話していいのか分からない。
そんな空気があった。
僕も含めて。
結局、
仕事の話を少しするくらいで、
その日の会話の内容は、
あまり覚えていない。
でも、
せっかく来たんだからと思って、
その後も何度か通ってみた。
~~~
今、いろんな地域でパパ向けの場に関わる中で感じるのは、
あの時の空気は、
特別なものじゃなかったということ。
「パパ同士、何を話していいか分からない」
これは、
どの地域でもよく聞く話だった。
今はこの課題を
カジークジーで解決できるようになった。
~~~
そしてその後、
そのパパサークルで、
ひとりの男性と出会った。
「専業主夫」という名刺を武器に、
装備はいつも白シャツ&赤パンツ。
お子さんと一緒に地域を回りながら、
『子ども食堂』を立ち上げようとしていた人。
正直に言うと、
最初は少し驚いた。
でも同時に、
こんな生き方をしている人がいるんだと、
強く印象に残った。
この出会いが、
自分の中にあった何かに、
火をつけた。
—
後にこの人に誘われて、
子ども食堂の立ち上げにも関わっていくことになるのだけど、
それはまた別の話。
—
ちなみにその人は、
今では一緒に活動する仲間のひとりになってくれている。
僕にとっての、
大先輩であり、
先駆者。
あの頃の僕がデクだとしたら、
この人はオールマイ………………。笑
『背中を追いかけてみよう!』
この出会いが、
僕の活動の方向を大きく変えることになるとは、
この時はまだ、思っていなかったんだ。

