
(当時描いたチラシ※記載されている情報は昔のものです)
パパ向け講座を始めてみたものの、
来るのはママばかり。
パパが来ない。
—
「どうしたら来てもらえるんだろう」
そう考え続けていた頃、
僕はまず、
自分の頭の中で起きていることを、
絵にしてみることにした。
というのも、
僕の頭の中では、
マンガ・アニメ・ゲームと、
家事育児がつながっていた。
というか、
壁の穴事件以降、
「どうしたら育児を少しでも楽しくできるか」
を考え続けた結果、
自然とそうなっていった。
—
例えば、
子育てひろばにある、
やわらかいブロック型クッションを並べて、
三重の輪を作る。
それを子どもが壊す。
僕の頭の中では、
『進撃の巨人』の曲が流れている。
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聖飢魔Ⅱで赤ちゃんが泣き止むか試している時は、
頭の中で『デトロイト・メタル・シティ』の主人公がシャウトしている。
—
家事と育児でヘロヘロになってベッドに倒れ込めば、
気分はもう、
栽培マンにやられたヤムチャだった。
—
歯磨きを嫌がって逃げ回る子どもを見ながら、
「ナルトみたいに影分身できたら…」
と思っていた。
—
年間1500〜2000枚くらい使うオムツの枚数を計算して、
「もうおれのオムツ交換は、
北斗百裂拳レベルだな」
と思ったこともある。
オムツ交換を終えた我が子に、
「おまえはもう、履いている」
とつぶやいていた。
—
うんちオムツ交換の時は、
『逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ』
と、
シンジ君みたいになっていた。
—
そして、
名前のない家事の細かい作業を思い返して、
「これ、
ガンダムのプラモデルを組み立てるのと一緒だな」
と思った。
—
そんな頭の中のイメージを、
講座資料として絵にしてみようと思った。
—
でも、
子どもの寝かしつけ後にリビングで描こうとしても、
そういう時に限って、
子どもは何度でも起きる。
今ではカジークジーのトラブルカードになっている、
『寝た子は起きる何度でも』
である。
結局、
ベッドの中で、
間接照明だけを頼りに、
手描きでバババッと描いた。
その結果、
だいぶ薄っぺらいガンダムになった。
でも、
そのイラストは今でも使っている。
—
そんなふうに、
講座の内容も、
少しずつ「男性が興味を持ちやすい形」に変えていった。
でも、
それでもまだ、
パパたちは来なかった。
そこで気づいた。
問題は、
講座の中身じゃなかった。
“入口”になる、
チラシだった。
—
そこで僕は、
チラシそのものを変えた。
ドラクエのマップ画面みたいなデザインにして、
ドット絵風のパパ・ママ・赤ちゃん・小学生が並んで歩く。
タイトルは、
ドラクエ風ロゴで、
『IKUJI QUEST(育児クエスト)』。
情報欄も、
RPGのメッセージウィンドウみたいなデザインにした。
—
そのチラシを、
地域のお店などに置いてもらった。
すると、
少しずつ、
パパたちが来るようになった。
「こういうことか」
と思った。
ある時、
参加してくれたパパが教えてくれた。
「うちの子が、
“パパ!なんか面白いの見つけた!”
って、このチラシ持って帰ってきたんです」
どこかのお店に置いてあったチラシを、
お子さんが見つけて、
パパに渡してくれたらしい。
その時、
すごく手応えを感じた。
“正しいこと”を伝えるだけでは、
人は動かない。
でも、
「なんか面白そう」
と思ってもらえた時、
人は自然と近づいてくる。
今振り返ると、
これが、
後のカジークジーへつながる、
発想の原点だった。

